Others
 


『人体の不思議展』 Event
東京国際フォーラム 〜1/16
お薦め人:加藤大輔
 私が今回お薦めするのは、『人体の不思議展』です。去年も開催されていたので、ご存知の方も多いと思います。私が去年見に行った際は大変な盛況で入場制限があり、諦めて帰りました。そこで今年こそは!と見に行ってきました。
  展示されている人体の標本はなんとすべて本物の死体です。最新の科学技術を使って特殊加工をして作られています。ほかの観客と同じように並べられた標本の前に群がり、僕も嬉々として標本を見入っていましたが、ふと、すべて本物の死体なんだと思い出し、途端にこの会場が異様な光景に思えてきてぞっとしました。標本になってしまえば死体もただの「物」なのだろうか? もし目の前の脳が知り合いの脳だとしたら冷静に観察し続けられるだろうか? 「脳の標本に触れられるコーナー」で順番を待ちながら、そんなことを考えていました。
  特殊加工してあるとはいえ本物の死体だけに、標本はどれもとても生々しいものです。しかしこれほど克明に人体の仕組みを見られる機会はないと思います。見えないところで頑張って働いている自分の体を見に行かれてはどうでしょう。来年の1月16日まで無休で開催されていますのでぜひ!

 

『バンド・オブ・ブラザーズ2』

drama

製作総指揮: スティーブン・スピルバーグ&トム・ハンクス 2001年 アメリカ
お薦め人:奥村洋治
 「戦争で死ぬのは全部が全部、無駄な犬死にだ」と思えるところがオススメです。
 トム・ハンクス&スピルバーグということで、あの『プライベート・ライアン』と同じ系列かな?とビデオを手にとりました。『プライベート・ライアン』と言えば、冒頭の30分の戦闘シーン。つくづくこんな死に方だけはしたくないと思う死のシーンが延々続きます。戦争の正体ここにあり!っちゅう感じです。
 この『バンド・オブ・ブラザーズ』は元々はTVドラマ(2001年度ゴールデン・グローブ賞最優秀作品賞受賞〜TVドラマ&ミニシリーズ部門)とのことで、僕の家の最寄りのTSUTAYAに1〜5巻があり、今やっと2巻目に手を出したところです。全何巻なのかは知らないけれど、それは別にどうでもいいんです。
 印象に残っているシーンは、戦闘の合間のちょっと静かなシーン。主役の兵士が部下を見送って、一人になったところで「チュイーン」という音とともに、ウッと声を出し突然千鳥足になり「クッソー」というような言葉を発する場面です。その後、次のシーンで血だらけのスネのあたりから、ピンセットのようなもので何かを抜き取り、「跳弾の破片でラッキーでしたよ」という衛生兵の言葉によって「あ、そういうことね」とわかるんですが、その足をなくしたヨタツキ具合も実にリアルで「この役者、やるな」と思ったりするわけです。
 地雷で足を吹き飛ばされたり、敵の弾で指を3本くらいもっていかれたりとか、CGならではの残酷シーンが全編にたくさんある中で、このシーンだけは妙に地味。でもだからこそ「アチッ!」という痛みや「クソーッ!」という感情が自分に理解(想像)し得る限界なのかと思うと同時に、それを越える痛みのシーンになるとただのエンターテイメントとして観てしまっている自分を感じるというか………。
 『ウィンドトーカーズ』(ジョン・ウー監督/ニコラス・ケイジ主演 2001年アメリカ)がくだらなくて、同じ戦争物でも『バンド〜』のほうがはるかに上と思えるのは「生き残った者のヒーローぶりを伝えるより、死んでいった者の無念さを伝えたい姿勢があるからだ」と思うのです。
  製作者側の意図とは違うのかもしれませんが。