1999年6月-1-
    1999年6月2日(水)
語学学校には世界中から英語を学びに来る学生がいます。学生といっても、年齢はまちまちです。 平均年齢を出したら一体どれくらいになるのでしょうか。私のように平均年齢を上げるものがいるせいか、 20代後半であることは違いないと思うのです。
 さて、同じ日に試験を一緒に受けた日本人の女の子とブラジル人の女の人と私の三人で、 学校のあと、パブに出かけました。面白い体験でした。共通の言葉が英語だけど、お互いにうまくないから妙に通じるのです。 語彙不足はボディランゲージ、特に表情で補います。しかし、じゃあね、と別れたあと、 思い切り疲れを感じたのは仕方がないですね。

    1999年6月3日(木)
 日本人向けの旅行代理店の企画で、ホース・ガースでBeating Retreatがあるというので、 仲良しメンバー4人組(奥さんグループです)で、夕方から出かけました。 今年は王子の結婚やらで、ホース・ガースには仮設観覧席が期間内常設しているようです。 この催しは皇室予算の関係で今年度が最後だという触れ込み。 それじゃあというわけで結構高いお金を払っていい席を確保しました。
 Beating Retreat というのは、楽隊の演奏による退却の儀式で、見応えのあるものでした。 チャールズ皇太子の後ろ姿だけみることができました。
 このホース・ガースはバッキンガム宮殿の近くに位置していて、 夏の間は毎日午前11時に衛兵交代の儀式を見ることができます。もちろんfreeです。 でも、観光シーズンだと、早く行って見やすい場所を確保しないと黒山の人だかりだとか。 私はいつでも行けると思い、いまだに見に出かけておりません。日本からお客様がみえたら一緒にと思いつつ。

    1999年6月7日(月)
 語学学校は隔週の月曜日が新入生が入る日なので、クラスメートが刻々入れ替わります。 私もだんだん慣れてきました。担当の先生はアンジェラという名の若い女の人で、彼女の授業は実に面白い。 「教科書は退屈でしょう」と毎日いろいろなプリントを用意してきます。 それも彼女なりの観点で選んでいるから飽きない。ビデオやカセットを用意したり、ゲームをしてみたり、 3時間の授業はあっという間に終わります。中でもスピーキングは重要視していて、 学生が話す機会を多く作るようにしています。
 また学生もよく話します。ヨーロッパの人は特に、競うようにして話をします。 時には訊かれていないことまで話し始めたり……。
 無口なのは往々にしてアジア人。私は元来おしゃべりなので、少しずつ話に加わり始めるようになりました。 問題なのは流暢さにかけるため、みんなが???という顔をすることがあります。 その都度、声を大きくして何度も繰り返して、やっと分かってもらいます。前途多難という感じです。

    1999年6月10日(木)
 ロンドンでは数多くのホームレスを見かけます。それと小銭をせびる人が多いのには驚きます。 ジプシー(?)風の身なりをして子どもを抱いた女の人が紙コップに硬貨が入っているのをじゃじゃら鳴らして、 地下鉄のホームや車両で乗客からお金をせびります。地下鉄の乗り換えの通路を歩いていると、 階段のあたりに座り込んで小銭を欲しがる若者も多いです。 "Change, please..."なんて声を無視してつかつか歩いていると自分が冷酷な人間にさえ思えるほど。 何とかして欲しいもののひとつです。
 ホームレスを救済するための雑誌ISSUEをご存じでしょうか。 街角で胸にプレートをつけたホームレスが1冊£1で売っています。 これを売っている人がこの何割かを収入としてもらえることになっているのです。 私はできるだけこの雑誌を買うようにしています。ロンドンは美しい街ですが、同時にたくさんの問題も抱えています。 少しずつ、この明るさの裏側が見えてくるようになりました。

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劇団一跡二跳

e-mail: isseki@m5.gyao.ne.jp / 制作:岸本 匡史